8月のある日、5才児の子どもたちに「やりたいことある?」と尋ねると「いすとりゲーム!」や「ドッチボール!」といつもと同じ声が返ってきました。「もっと楽しいことしたいな。保育園じゃなくてもいいから、最近楽しかったことって何?」と聞くと、ある女の子が「そういえばこの前お祭りにいったよ。」と教えてくれました。すると、他の子どもからも「お祭りいったー!」「かき氷食べたー」といろんな声が。「他にはどんなお店があったの?」と聞いていくと「たこ焼き! やきそば! 輪投げ!」「最後に踊ったよ!」と目をキラキラさせながらお話してくれました。
「へえー、いいな。やすおさんも行きたかったー」と言うと、「じゃあ作ってあげるよ!」と優しい子どもたち。そこから「夏祭りごっこ」の準備が始まりました。
子どもどうしで「ちょうちん作らなきゃ」「お金が必要だよね。」「あと看板も!」とイメージが広がっているようでアイディアを出し合いながら進めていました。結局、その日だけでは作りきれず「また明日も作りたい!」と次の日、また次の日と作っていました。日を追うごとにアイディアや品物が増えていき、給食室にも焼きそばの材料を聞きに行ったりしていました。
いざ夏祭り当日、「わたし、たこ焼き屋さんやるね~」「輪投げは小っちゃい子は、ここの線にしてぞう組(5才児)はここにしよう」と自分たちで役割を決める姿や、小さい子を気遣う姿に成長を感じました。当日は、乳児のお客さんも来てくれて大盛況でした。最後にみんなで「もったいないばあさん音頭」を踊って「夏祭り」は終了。「次は綿あめだね!」「金魚すくいも作ればよかった!」と終わっても次のお祭りに思いをはせているようでした。
後日、お祭りの準備をする5才児の様子を見ていた4才児の子どもたちが、今度は自分たちで「お買いものごっこ」をする姿が。子ども同士のつながりや成長を感じる夏のひとときとなりました。
(かわさき保育園 高橋靖雄)